Lesson 1-1 精製された小麦粉の危険性

 

スイーツの主原料となるものの多くは小麦粉・砂糖・油脂・乳・卵などですが、そのなかでも小麦粉・砂糖は体への影響が大きいものとして知られています。

お腹いっぱい料理を食べたにも関わらず、甘いものを想像すると涎が出て来て、食べることが出来てしまう現象を経験された方も多いと思います。

特に精製された小麦粉・白砂糖は麻薬並の強い依存性があり、脳の糖依存が高まりやすくなります。

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◆小麦について

〇精製小麦粉は糖とタンパク質の塊

小麦はおおまかに胚乳・胚芽・表皮により構成されます。
グラハム粉・全粒粉は小麦全体を使うため、多くのミネラル・ビタミンを含むのですが、保存性が低いことや独特な風味と食感などの問題から精製小麦を使用することが多くなりました。

精製小麦粉の主原料はこの胚乳部分です。
食物繊維も含みますが、ほとんどが糖とタンパク質の塊です。

過剰摂取するとタンパク質を分解するために膵臓から放出される分解酵素が大量に必要なために大きな負荷がかかり、糖は腸管から直接吸収されます。

糖が吸収されると血糖値が上昇

ストレス感受性が強くなり、イライラが増す

イライラを抑えるため、糖を欲して小麦粉を摂取

糖が吸収されると血糖値が上昇

という負のスパイラルに陥ります。

 

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体の中の酵素(分解酵素・代謝酵素)は常に一定量しか産生されないので、タンパク質を分解することに膵臓が酵素を使い続けることにより、細胞を修復するための代謝酵素が使えなくなります。

これにより、低体温状態を招き、不眠症・生理不順・生理痛・不妊症・骨粗鬆症・癌などを引き起こします。
また、膵臓への過剰な負荷は低血糖症や糖尿病を招きます。

 

〇小麦グルテンの問題

日本人は米や雑穀を主食として文化が醸成されたといっても過言ではなく、小麦を常食とし始めたのは戦後の食糧政策によるものが主です。

この小麦に含まれているタンパク質のグルテンは非常に利便性が高く、様々な食材にも配合され、食品の風味向上にも寄与してきました。
ただ、グルテンの中に含まれるグリアジンという主要成分に過敏に反応して身体に症状が現れるのですが、日本人にはこのグルテンの感受性が低いことが多く、近年特に増えてきている疾患でもあります。

その原因は、1940年代からの食糧政策による小麦主体の食事の影響に加え、1990年代からのラーメン専門店・パスタ専門店・パン専門店が増えたり、小麦を使ったお菓子が増えたことで小麦の摂取が増えたことにあります。

食生活の変化によって身体の栄養状態が悪くなり、中にはグルテン過敏症の症状が現れてきます。

代表的なものとしては...

吐き気・逆流性食道炎
腹痛や腹部の膨満感
男性は下痢・女性は便秘
低血糖による貧血
口内炎・関節炎・手足のしびれや痙攣・
アレルギー性/アトピー性皮膚炎
生理不順・生理痛・不妊症
歯周病・歯槽膿漏
悪臭便・悪臭ガス
疲労・倦怠感
ADHD・自閉症・精神疾患
ビタミン・ミネラル欠乏症・骨粗鬆症
原因不明の体重減少
シェーグレン症候群
糖尿病

列挙するだけで、大変多くの問題が出てきますね。

 

〇輸入小麦の問題点

日本で流通する小麦粉のほぼ90%(およそ600万トン)はアメリカ・カナダ・オーストラリア産です。

そしてそのほとんどの品種は品種改良や遺伝子組み換え(GMO)です。

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え?小麦粉って遺伝子組み換えなの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、徐々に紛れ込んでいます。
厚生労働省の規約を見ていただくとわかるのですが、特に加工されたものには遺伝子組み換え・非遺伝子組み換えの表示すらされていないものもあり、GMOの功罪については是非ご自身の目で調べ、どういう影響があるかをご理解いただきたいと思います。

(参考)http://ja.wikipedia.org/wiki/遺伝子組み換え作物

遺伝子組み換え作物全般に共通することなので、是非『モンサントの不自然な食べ物』をご覧になることをお勧めします。

(参考)http://www.uplink.co.jp/monsanto/about.php

第二次世界大戦前の1930年代から農家や植物学者達が飢餓救済という旗を翻し、人体への悪影響を一切考慮せずに丈夫で大量に生産できる小麦を作るために何万回も品種改良、人工交配をし続け、膨大な数の遺伝子が変更されたために様々な問題が出てきました。

本来ならば人体への影響を加味し、安全性テストを行うべきですが、多くは一度もしないもの・ラットの実験で済まされているものがほとんどです。理由としては、『同じ小麦を何度交配させても小麦なのだから人体に影響があるはずがないという理論』『膨大な臨床検査費用』『利益優先の企業の体質』が挙げられます。

 

◎ご家庭でできること

ご家庭においては小麦粉をすべて排除しようというのはなかなか難しいことですが、以下の点に留意しましょう。

・小麦粉の過剰摂取を避ける

お菓子・パン職人によく見られますが、製造による吸引や食べ過ぎによる皮膚トラブルや口内炎や膨満感や倦怠感など、色々な症状を訴える(グルテンアレルギー)ことがあります。
普段の食生活において、うどん・ラーメン・パン類の摂取量を減らすだけでも多くの問題が改善されます。

・精製された小麦粉は極力避け、全粒粉を使用する

保存性に難点がありますが、胚乳だけを用いる通常の小麦粉と比べ栄養価が高く、薄力粉と比較して3倍程度の食物繊維や鉄分を含み、ビタミンB1の含有量も高いものです。
グルテンを引っ張る力が弱いため、腸管への影響も抑えられ、体には比較的良いものです。

・国産小麦粉を使用する

一般に地粉(じごな)とよく呼ばれているもので、品種改良のものがほとんどですが、遺伝子組み換え品種ではないので、その点で安心して使えます。
中には在来種・固定種と呼ばれる日本に古くから自生していたものや農家さんが代々継承したものもありますが、非常に希少です。

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◎筆者の小麦粉に対する考え

私も代替品として米粉・大豆粉・たかきび粉などを使います。

ただし、パンやケーキ類の小麦粉で作らないとどうしても出せない味・風合いがありますので、それを無理矢理代用するのは難しいと考えています。

小麦を食べることで命に重篤な症状が出ることを除いては、小麦粉の摂取量を減らす・小麦粉の質を変えるなどをしながら、日常生活で楽しめることが良いと思います。