Lesson1-5 動物性・植物性油脂の問題

 

◆油脂について

〇動物性油脂について

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動物性油脂に関しても、「乳・乳製品について」で申し上げたように、過度なストレス環境下・ホルモン剤・抗生物質による汚染がることに起因します。不自然な環境下で育てられた油であれば必ず異常がどこかに存在するのです。

一般的には動物性油脂の問題点として、飽和脂肪酸・コレステロールの高さや動物性油脂は人間の体温では比較的溶けにくいという問題点をあげられることもありますが、毎日のように大量にトンカツやステーキを食べ続ければ自ずと体の排泄能力を上回りますので、病気が発生するのは当然です。

コレステロール値については諸説あり、一概に高い低いでは説明できない部分が多いといえますので、大事なことは良質なものを適量摂取することです。

本来、自然で良質な動物性油脂は低温で溶けやすく、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸・オメガ9脂肪酸のオレイン酸を多く含みます。これは体を滑らかに動かすためには不可欠なものが多いので、適量を摂取することが好ましいと言えます。

肝油

 

 

 

 

 

 

 

 

また、魚の脂肪においてはEPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3脂肪酸の多価不飽和脂肪酸で、低温で凝固しない特徴から血液の粘土を下げ、免疫力を上げる効果が期待できます。

ただし、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい特徴があるので、摂取する際はなるべく新鮮なものを摂る必要があります。

 

〇植物性油脂について

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全般的にオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸・オメガ6脂肪酸のリノール酸・オメガ9脂肪のオレイン酸など不飽和脂肪酸群を有します。

植物性油脂はその種類により酸化の速度がことなり、不飽和脂肪酸の量示す指標であるヨウ素価によって分類されます。

乾性油(130以上)
アマニ油・シソ油・クルミ油・エゴマ油・紅花油・ヒマワリ油

半乾性油(100~130)
コーン油・綿実油・胡麻油・大豆油

・不乾性油(100以下)
オリーブ油・ピーナッツ油・ココナッツ油・パーム油・椿油・菜種油

などがあげられます。

 

ヨウ素価が高い油は酸化が早いので、熱を加える場合は自然発火に注意が必要です。
酸化という点から行くと、揚げ物にするより生食に適し、なるべく購入したら早めに使い切りましょう。

効率よく使うことで、健康増進の効果も期待できるのですが、植物性油脂にも様々な問題点が指摘されています。

 

・マーガリンとショートニング

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一番顕著なものとして、トランス脂肪酸を多く含む『マーガリン』『ショートニング』が代表的です。
液状の植物油を固形状にするため、水素添加を行い不飽和脂肪酸の二重結合部分を飽和させることで工業的に生産されるため、高温でも安定的に固体を維持できるところに特徴があります。

これらが「食べるプラスチック」「腐敗しない植物油脂」であるといわれる理由は、水素添加という化学処理によって不飽和脂肪酸が「トランス型脂肪酸」に変化したことによるものです。

トランス型脂肪酸の摂取量が多いほど、体内で炎症を生じやすくする因子を刺激し、アトピーなどのアレルギー症に悪影響を及ぼすと考えられています。

また120℃を超えて調理(特にジャガイモ)すると、アクリルアミドという劇物(肝毒・神経毒・発がん性)を増加するので極力避けるべき食品です。

(参考)アクリルアミドとは?

 

・遺伝子組み換え作物

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多くの植物油のなかでも、一般的に使われている菜種(キャノーラ)油・大豆油・コーン油・サラダ油などのほとんどには遺伝子組み換え作物が使われております。

「遺伝子組み換えは使用しておりません」の項目がある場合でも、ある一定量が含まれている場合は記載義務がないため、ほぼスーパーなどで売られているものは、遺伝子組み換え品が少量含まれています。

(参考)消費者庁HPより食品表示

また、大量に生産するために高温抽出・化学処理するため、問題点があるのではと指摘もあります。

 

◎ご家庭でできること

ご家庭においては、以下の点に留意しましょう。

・マーガリンやショートニングは絶対に使わない。

体内で分解しずらく、肥満や様々な発がん性、アレルギーの要因となるものは避けた方が賢明です。

・動物性(肉・魚)油脂・植物性油脂を問わず、バランスよく活用する。

体質や嗜好に合わせて、良質な油をうまく使いこなすことが一番大事です。
ただし、植物性油脂の方が体への負荷が少なく、体質改善に効果が期待できるものが多いです。

・酸化した油や添加物を含む油は極力避ける

酸化した油は風味が悪いだけでなく、血液を酸化させ、病気の元となりますので、極力避けましょう。
特にω-3脂肪酸・ω-6脂肪酸は酸化しやすいので、保存や使用方法に注意してください。

・遺伝子組み換えの植物性油脂は避ける

低温圧搾の国産菜種油や現在遺伝子組み換えの可能性がない米油・綿実油・オリーブオイルなどを使うとよいでしょう。
少々値段は高くなりますが、遮光性瓶に詰められた油は良質なものが多いです。
また、酸化しにくく体に優しいココナッツオイルなども最近は注目されています。

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◎筆者の油脂に対する考え

私は米油・玄米油・ココナッツオイルを愛用していますが、動物性・植物性問わず信頼できるものを選びましょう。

水と油は自分の体を形成する上でとても重要ですので、良質なものを選んだ方がいいと思います。

安いものは安いものなりの品質でしかありませんし、出来る限り値段と品質を相談して自分に合ったオイルを使いましょう。